研究会紹介

田島 英一

専門分野

中国地域研究、中国市民社会論、公共宗教論、中国キリスト教系団体研究

担当科目

中国語インテンシブ4,地域と社会(アジア・大洋州),国民国家とナショナリズム,研究会(生活世界から考える公共性),大学院アカデミックプロジェクト(生活世界と公共性)

研究室紹介

テーマは、一言で言えば「生活世界から人間社会を考える」です。人が、疎外された近代的個人としてではなく、実存的人格として生きられるのは、生活世界においてのみだというのが、私の信念です。そしてキルケゴールは、その実存的人格が超越者と向き合うことで完成すると考えていました。ですので、社会資本としての宗教、および生活世界における主要アクターとしての中間団体に注目しつつ、人間社会について考察することになります。私にとってのフィールドは中国社会ですが、履修者諸君のフィールドは、他地域の社会であってもかまいません。領域としては、宗教社会学、公共宗教論、公共神学、公共哲学、中間組織論、第三領域論、市民社会論、公共性論、中国地域研究等が該当します。詳しくは、シラバスをご参照ください。


鄭 浩瀾

専門分野

中国近現代史、中国地域研究

担当科目

中国語インテンシブ3,中国語インテンシブ4,中国語海外研修A、B,アジア・大洋州地域論,研究会(近現代中国研究、中国社会研究),大学院アカデミックプロジェクト(生活世界と公共性)

研究室紹介

鄭研究会では、歴史と社会の視点から中国のことを多面的に学びます。歴史の視点については、メディアで報道されている中国社会の表層ではなく、過去100年にわたる中国の歴史を踏まえて現在の中国が抱えている諸問題がどのように生まれたのか、なぜ生まれたのかなどについてゼミ生と一緒に分析し、中国社会の深層を探ります。社会の視点については、地域社会の特性を踏まえた上で、①中央から地方、さらに社会の末端レベルまで多層的な構造、②地域社会に暮らす民衆の生活世界、に視点を置いて考察します。

実施方法としては、まず、輪読文献をめぐる討論を中心に行います。少人数ゼミですので、発表者が疑問に感じたところを中心に、じっくりとディスカッションを行いながら、研究視点および関連文献の調査方法について指導します。次に、個人研究の発表の時間を設けて、個人研究テーマの選定、データの収集方法、論文の書き方についても丁寧に指導しています。

なお、火曜日4限のサブゼミは、田島英一研究会と合同で行います。

輪読文献は、履修者の関心および語学能力に応じて選定します。履修者が全員中国語履修済みであれば、中国語文献を選定する場合もあります。

参考までに、卒業生が執筆した卒業論文のタイトルを一部紹介します。この中には、中国語文献を精査した上で執筆したものもあります。

「日中戦争期における出版規制と絵本」
「中国市場における本田技研の進出と課題」
「中国社会福祉資金の分配における地域差: 社会福利基金及び公募基金会を中心に-」
「中国にルーツを持つニューカマー子女: ライフストーリーにみる継承語とアイデンティティ―」
「横浜中華街における中華料理老舗店の変容」
「秋瑾の女子教育観と日本留学」
「日中社会における美人像の変容:伝統から近代へ」


宮本 大輔

専門分野

中国語学、会話ストラテジー、中国語教育

担当科目

中国語インテンシブ1、中国語インテンシブ3、研究会(中国語学研究及び中国語の社会言語学的研究)

研究室紹介

宮本研究会では、中国語に社会言語学的角度からアプローチします。社会言語学とは、言語を社会との関係から解明しようとする分野で、研究対象は、身近な言語現象から言語変異、多言語使用、言語継承、言語政策、言語サービスなど、多岐にわたります。私がこれまでに取り組んできた研究テーマは、少数民族に対する言語政策、言語評価意識、言語使用意識、女性に対する呼称語の使用意識、長野県における言語サービス、中国語における「断り」のストラテジーなどです。また、社会言語能力の習得は、外国語教育でも重要な話題の一つとなっています。そのため、本研究会では、中国語教育に関する研究も一つの重要な課題として扱います。

本研究会は、以下の流れで運営します。

1.自身が取り組むプロジェクトで扱うテーマに関係する文献の講読、批判的分析を行う。

2.プロジェクトに分かれ、テーマを立案し、仮説を導出する。

3.仮説を立証するために有効な調査を企画、実施する。

4.調査結果をまとめ、成果を報告する。

以下に、本研究会で扱うプロジェクトの一例を示します。

・中国語の語用論的研究

・近隣の自治体における多言語共生に関する研究

・中国語教育/習得に関する研究

・中国語における言語政策に関する研究

・異文化間コミュニケーションに関する研究


華 金玲

専門分野

情報通信政策、デジタル社会とメディア利用、バーチャル空間の言語教育、メタバース教材開発

担当科目

中国語インテンシブ1、中国語インテンシブ2、中国語インテンシブ3、スキル中国語(経済)、中国語スキル(会話)、研究会(デジタル政策とメディア利用研究会)

研究室紹介

近年、インターネット・携帯電話・IoTなどの情報通信技術の発達により、情報へのアクセスが容易になり、我々の生活の利便性が向上しました。そのような情報通信の社会基盤に大きく関わっているのが情報通信政策です。一方、ICT技術の多様化により、情報通信メディアのみでなく、第5世代携帯電話システム(5G)やAI、ドローン、Bigdataなどのテクノロジーもハイスピードで普及してきています。これらの新しいテクノロジーを如何に駆使して我々の生活をより豊かなものにして、どのように社会実装を進めていくべきなのか、またそのようなテクノロジーの普及によってどのような社会問題が生じるのか、これは技術研究者のみでなく、総合政策学を研究する私たちにとっても大きな課題になってきています。COVID-19のパンデミックで世界中の国々の情報通信基盤が急速に整備されるようになったものの、新しい情報通信メディアやテクノロジーに関する学際的・総合的な研究が追いついていない現状があります。

この研究会は、メディアやテクノロジーの使い方こそ、デジタル社会の持続的発展の底流を成すと考えています。情報メディアやテクノロジーに関する総合政策学的研究を目指して、5Gやメタバースなどデジタル社会に関するデジタル政策関連動向を幅広く取り上げて議論します。日本、韓国、中国、台湾などにおける5Gのユースケースや科学技術イノベーションの推進に関わる政策形成過程、情報通信産業の市場構造、新しいメディアなどの新興産業の諸課題についても理解を深めていきたいと考えています。

本研究会で現在進めている研究の一例として以下があります。

1.メタバース時代の法整備

2.企業のメタバース推進動向に関する研究

3.デジタルマーケティングにおける「中国方式」の購買行動

4.韓国のデジタル政策の推進

5.語学教育におけるメタバースの活用

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